黒くて大きいだけで──見た目で差別される犬たちの現実と、私たちができること
目次
- ビッグ・ブラック・ドッグ・シンドロームとは?
- 差別される“見た目”の共通点
- 実際にあった悲しいエピソード3選
- なぜ黒くて大きい犬が里親に選ばれにくいのか?
- 日本における大型犬の偏見と殺処分の実情
- 私たちにできること:偏見をほどく5つの方法
- まとめ:その瞳の奥にあるやさしさに、目を向けてほしい
ビッグ・ブラック・ドッグ・シンドロームとは?
**Big Black Dog Syndrome(BBDS)**とは、
黒くて大型の犬が、保護施設において他の犬よりも里親に選ばれにくいという現象のことです。
この言葉は、アメリカやカナダなどの動物保護団体から報告され始め、現在では多くの国で共通して見られる傾向とされています。
その多くが、「見た目による無意識の偏見や差別」に基づいているのです。
本当はやさしくて賢い子なのに、「怖そう」「不気味」「写真映えしない」という理由だけで──
誰にも選ばれず、静かに命を終える犬たちがいる。
その現実を、少しだけ想像してみてください。
差別される“見た目”の共通点
BBDSに該当すると言われる犬たちには、以下のような特徴があります:
- 黒い毛色(顔の表情が見えづらい)
- 中〜大型犬(ラブラドール、シェパード、ドーベルマン、雑種など)
- 引き締まった筋肉質の体(「強そう」に見える)
- 声が低く、吠えたときの印象が強い
これらはすべて、その犬の「性格」や「愛情深さ」とは無関係です。
でも人間は、“見た目”だけで安心・危険を判断してしまう傾向があります。
実際にあった悲しいエピソード3選
エピソード①:1年以上も誰にも見向きされなかった黒ラブのジャスパー
アメリカ・オハイオ州のシェルターにいた黒ラブのジャスパーは、
性格は温厚で、どんな犬とも仲良くできる穏やかな子でした。
でも、施設に訪れる里親候補者たちは、彼の前を素通りしていきます。
「黒くて大きくて怖い」「もうちょっとかわいい犬がいい」──
そう言われ続け、14か月間、誰にも選ばれませんでした。
それでもジャスパーは、毎日しっぽを振って、誰かが来るたびに扉の前に立ち続けていました。
エピソード②:殺処分前夜に引き取られた“最後のチャンス”
とある日本の保健所で、黒い雑種の大型犬が収容されていました。
期限はあと1日。職員たちは必死にSNSで拡散し続けました。
「この子、攻撃性ゼロなんです。ただ見た目がちょっと怖そうで…」
奇跡的に、殺処分の数時間前に迎えに来た人がいました。
その人が言った言葉:
「見た目じゃなくて、目を見たらわかりました。寂しさと優しさがにじんでいた」
エピソード③:写真に写らないから選ばれない
保護施設が公式SNSで紹介するたび、黒い犬たちは「反応が少ない」といいます。
目が映りづらい。表情がわかりにくい。
だから他の茶色い犬や白い犬のように「映えない」と思われてしまう──
これは私たちが、「命を写真で選んでいる」証拠なのかもしれません。
*AIによる情報収集のため出来事の確認はとっておりません*
なぜ黒くて大きい犬が選ばれにくいのか?
- 映画やアニメでの悪役イメージ(ドーベルマンやシェパード)
- 子どもに「怖そう」と言われることへの不安
- 小型犬ブームによる“大きさ”への偏見
- SNSの「かわいくて小さい犬=理想像」による価値観の偏り
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
日本における大型犬の偏見と殺処分の実情
日本でも、大型犬の保護犬は譲渡されにくい傾向にあります。
理由はこうです:
- 賃貸住宅で飼えない(多くが小型犬のみ可)
- 鳴き声や体力を理由に、近隣トラブルを避ける人が多い
- 「怖そう」「しつけが大変そう」と誤解されがち
実際、各自治体の収容数を見ると、大型犬の殺処分率が小型犬よりも2~3倍高い傾向にある施設も存在しています。
私たちにできること:偏見をほどく5つの方法
✅1.見た目ではなく、性格に注目する
一緒に暮らす上で大切なのは“その子がどんな子か、遊びたがりなのか?甘えん坊なのか?怖がりなのか?”を知ってあげてほしいです。
✅2.SNSでは「表情の見える写真」を意識して投稿
黒い犬も、角度や光の当て方で印象はガラリと変わります。これに関しては助六と一緒にyoutubeをしている私たちにお任せください!上のほうにある動画をご覧ください!黒いから見えないを逆に長所ととらえるポジティブシンキングです💛
✅3.「黒い犬=不吉」という迷信をなくす
これはまったく根拠のない言い伝えです。オーメンのせいですね・・・いい映画ですけどw
✅4.里親を探す際、サイズだけで判断しない
小さい=飼いやすい、大きい=無理、という短絡的な考えを見直すきっかけに。しつけはサイズに関わらずとても大切な事です。プロのトレーナーに任せるのが一番です!
✅5.他の人に“伝える”
「実は黒い犬って、性格いい子が多いんだよ」と会話の中で気軽に伝えるだけでも、偏見をほぐす第一歩になります。実はすけろくって変な顔で笑うんだよ~と噂を流してくださいね
まとめ:その瞳の奥にあるやさしさに、目を向けてほしい
犬は毛の色を選んで生まれてきたわけじゃありません。
大きさも、見た目も、彼らのせいではありません。そんな私ですが、大きな家でゴールデンレトリバーと暮らすのが小さな頃からの夢でした。でも、いきなり突進してきたチビの真っ黒な犬と暮らすことになってしまって・・・。ウフフ
私たちができることは、“偏見のフィルター”を外して、その子の本当の姿を見ること。なのかもしれませんね
黒くて大きいからこそ、器が大きくて、心が深いやさしい犬たちがたくさんいます。
あなたの目の前にもし、そんな子がいたら、
その瞳の奥にあるものを、どうか見てあげてください。
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